朝起きたら、尻尾が美味しそうに見えた。
口に含んでみる。
ゴウトの味と、何だか甘い匂いがした。
「囓るなよ」
「食べたい」
「無茶云うな」
鼻を叩かれて、ライドウはしぶしぶ離れた。
次の朝。
爪が、和菓子のようにほんのり甘みをもっているような気がした。
指で挟んでみる。
調度、食べ頃。いい匂い。
舐めたい。きっと甘い。
「・・・・・・っ」
ふにふにしていた片手に爪が食い込む。
「不用意に相手の懐に突っ込んではいかんとぞと云った筈だが」
「時に其れも戦略です。むしろ突っ込んで欲しい」
「・・・・・・却下」
傷を舐めてくれたゴウトは、犯罪的に可愛い。
三日目。
鼻がチョコレェトのように見えてくる。
ひくひく動く様は、此方を誘っているようにしか見えない。
しかししかし。
何か足りない。
食べても、何か中途半端な気がする。
「ライドウ」
ゴウトが何よりも甘く囁いてくる。
組み敷かれて、ライドウは、躰を硬くした。
「俺を見ろ、ライドウ」
三日ぶりの翡翠の瞳は、それはそれは美しく、美味しそうで、少し、怖かった。
「俺を避けるな」
首をざらりと舐める気配。
「だって・・・・・・」
接吻けしたら駄目だって云ったでしょう?
「無闇やたらとやるものじゃないだろ」
「我慢は、よくない、です」
呆気にとられて、ゴウトは・・・・・・笑った。
久しぶりの接吻けは、蕩けそうに甘かった。
ライドウは、自分の躰が甘くなったような気がした。
次の日から。
ゴウトから甘い匂いがすることはなくなったという。
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キス魔なライドウが、キス禁止令を出され、
歪んだ欲求不満が今回の事件をうんだとかそういう感じでしょうね♪
2008.4.09
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